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No.45
積み上がった意識が自分自身なんですよ
平成19年8月8日

 みなさん、こんにちは。春名芙蓉です。
 日本列島、一気に温度が上昇してきましたね。せみの声が山々に行きかって、真夏の到来を感じさせてくれます。しばらく暑い日が続きますが、お体を大切にしてくださいね。
 今回は、「いい意識を積み上げることが、どれほど大切か」というお話をしたいと思います。

 以前、「なったが自然」というお話をしましたね。
 「どんなことがあっても、心を動かさず、そのことを自然から与えられたものと思って感謝しながら乗り越えたとき、全てよかったということに変わりますよ」ということでした。
 私は、今日までの人生で、いろんな困難、壁にぶつかったときに、「心を動かさない」ということを一番の目標にしてきました。「心を動かす」ということは、要するに「大変だ、困った、どうしよう」とあわて、動揺し、悩むことです。
 そんな意識になったときは苦しいですね。だから、「心を動かさない」ということは、「自分勝手に苦しまない」ということになるわけです。
 苦しむと、よけいに苦しみが寄ってきます。「あの人のせいでこうなったんだ」と、人に対して悪い思いもわいてきます。「なぜ私だけがこうなるんだろう」と、自然に対して文句を言いたくもなります。果ては、「誰も私のことをわかってくれない」と、全ての人をうらみたくなることもあります。
 そんなことを思っても仕方がないのに、次から次へと、愚痴がわいてくるという体験は誰にでもあるでしょう。そんなマイナスの意識をもつためによけいに状況を悪くして、何でもないことが「本当に困った」ということになってしまうのです。

 私は、今までの長い人生を通して、「人間には乗り越えられないことは決してない」と思っています。誰でも、つらい、苦しい困難にぶつかったとしても、いずれそこを乗り越える時期があります。ある程度の時間が必要かもしれませんが、誰でもそこを通り越えて、どんなことも過ぎ去った過去のことになります。
 しかし、そこで問題なのは、「そのときに心にわいたマイナス意識が、決して消えることなく、その人の心の中に蓄積されてしまう」ということがあるんですね。人間は、あれこれと心を動かして苦しんだことがあっても、時間の経過とともに忘れていきます。いつかは、「あれはなんだったんだろう」と忘れ去る時期もくるのですが、そのときに積み上げたマイナス意識は、心の中に蓄積されて一生消えないで残るのです。

 人間の体は、新陳代謝によって細胞が生まれ変わり、たとえ怪我をしたとしてもいつかは治癒されるようになっています。でも精神的な面では違います。人生の中で心にわかした意識は、いつまでたっても消えないで残るのです。それが、年をとってからいろんな現象となって現れるのが怖いことだと思うのです。
 ご年配の方で、愚痴や悩みや人の悪口など、同じことを何度も何度も言う方があります。それは、その人の心に染み付いたことが出ているのですね。あまりに愚痴の意識を積み上げてきたために、自分の意識をコントロールできなくなってしまわれています。
 若い人でもそんな方はいっぱいおられます。夫婦や子供、職場の人などに対してあまりにマイナス意識を積みすぎると、それが固定観念になって相手がいいように変わっても自分の意識を変えられなくなってしまっています。

 みなさん自身の積み上げた意識が、「あなたという存在」を作り上げるのです。
 もしそれがマイナスの意識だったら、結局、自分自身をマイナスの世界に追いやるものになります。それがいい意識だったら、いいように、いいように自分を押し出してくれるものになります。マイナス意識を積み上げ過ぎた人は、どんなことをも悪く思ったり、愚痴になりやすかったり、喜ぶことができなくなったりします。そんな意識の習性になっている、といってもいいでしょう。
 逆に、いい意識を積み上げた人は、人を悪く思わず、何事にも感謝でき、周囲に温かいものを与えてあげられるようになります。それによって、さらにいい意識が加算されることになります。

 私は、今日までの人生、「もっともっといい意識を積み上げたい」と思って生きてきました。そして今の歳になって、どんなことに当たっても心が動かず、何事も喜べ、自分のこと以上に人の幸せを願う気持ちがわいてきます。目に見えない大自然の愛を感じ取れるようにもなりました。本当にありがたいことだと思っています。
 今思えば、そんな積み上がった意識が自分を作ってくれているんですね。あるいは、意識そのものが自分自身だといったらいいでしょうか。
 そんな意味でも、このメッセージをお読みのみなさんに、「毎日、いい意識を積み上げることがどれほど大切なことか」を感じていただきたいと願っています。



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